Roadside Lights 2020-2025
大橋英児
- 判型
- 260 × 355 mm
- 頁数
- 112頁、掲載作品80点
- 製本
- ハードカバー
- 発行年
- 2025
- ISBN
- 978-4-908526-60-2
雪の夜、ひっそりと立つ自販機の光は、ただの風景を越えて、記憶と想像力を静かに呼び覚まします。
本書は、2008年から “自販機のある風景” を撮り続けてきた写真家・大橋英児による、近年の成果を横断するシリーズ最新作です。BBCやCNNをはじめとする海外メディアでも注目を集めたテーマを、新作80点で丹念に編み上げました。
深夜、街灯も窓明かりも少ない静けさの中で、変わらず灯り続ける自販機の光。
その存在は雪面をやわらかく照らし、見る人それぞれの記憶と結びついて、多様な情景を生み出します。
ページをめくるたびに、雪と光のあいだを流れる時間がゆっくりと立ち上がり、見慣れた夜の風景が少し違って見えてくる――。
そんな体験へと誘う一冊です。
「人々が眠りに落ちる深夜、雪の中にたたずむ自販機の姿からは、民話風な温かさや、自販機に象徴される人間生活の営みそのものを見入る大橋のまなざしが感じられるのではないだろうか。」
― 関次和子(本書解説より抜粋)
「私にとってこの昔の記憶を具現化しているのが、雪夜に輝き続ける自販機である。そして今、路傍の自販機は、本来の機能とは別の意味を付与され雪夜に輝き続けている。それは日本の治安が良いことの象徴であり、(•••)誰かのために働くという価値観が根付く日本の風土があると考える。」
― 大橋英児(本書あとがきより抜粋)