CASE TOKYOでは4月20日(土)から5月25日(土)まで、真鍋奈央の展覧会「波を綴る」を開催いたします。

高校生時代にハワイに留学したことををきっかけに、十数年間にわたりハワイを撮り続ける真鍋。「波を綴る」はハワイと日本にルーツを持つ人々が綴ってきた歴史や風土を追ったドキュメンタリー作品です。たくさんの出会いや別れ、そして日々の暮らしの中で垣間見てきた島で生きる人々の姿が、独特の柔らかいタッチで印象的にとらえられた本作は、第三回入江泰吉記念写真賞を受賞。受賞記念として2019年2月には同名タイトルの写真集が出版されました。本展は、2017年12月に弊社刊行物に迫る展覧会「IN PRINT, OUT OF PRINT 表現としての写真集」を開催した入江泰吉記念奈良市写真美術館とのコラボレーションによって実現。十数年の歳月をかけた彼女とハワイの島、そして人々とのとけあう時間をご覧ください。

ハワイの島々は私の中で強い輪郭を持って存在している場所であり、
たくさんの人達と出会い、お互い時を重ねてきた場所でもあります。

偶然とも必然ともとれるような出会いから大切な存在となっていった彼らと日々を
過ごしていくうちに、いつからかハワイの島々が持つ歴史や風土がリアリティーと
意味を持って自分に迫ってくるようになりました。
変わりゆく風景の中にも大切な人達が生きてきた時間や心の動きが映っている、そんな風に思います。

人々が生きてきた時間を包含しながら、今なお動き続けるハワイの島々。
自然の脅威を肌に感じながらも、全てを受容するように島で生き続ける人々。
今になり思い返してみると、私は十数年かけてそのような人間と島の在り方を垣間見させてもらったのかもしれません。

ー真鍋奈央

協力:入江泰吉記念奈良市写真美術館

Artist

真鍋奈央 Nao MANABE

1987年徳島県池田町生まれ。中学卒業後単身渡米。ニューヨーク州、ハワイ州の高校で2年間過ごし卒業後、2006年に帰国。ビジュアルアーツ専門学校大阪写真学科入学にて写真を学ぶ。同校卒業後も研究生制度を利用し一年間作品制作に励む。2011年グループ展(Place M / 東京新宿)で「Malamalama」を発表。2012年第6回写真「1_WALL」でファイナリスト。同展で「眼を開けて夢を見る」(ガーディアンガーデン / 東京銀座)を発表。現在ビジュアルアーツ専門学校にて写真学科講師として務める。2018年第三回入江泰吉記念写真賞受賞。