Roadside Lights Seasons: Winter
- 判型
- 255 × 365 x 16mm
- 頁数
- 57頁、掲載作品44点
- 製本
- ハードカバー、蛇腹折り、ケース
- 発行年
- 2020
- 言語
- 日本語、英語
- ISBN
- 978-4-908526-38-1
2017年に刊行され現在は絶版となっている『Roadside Lights』(Zen Foto Gallery) 以来、約3年振りとなる大橋英児のカラー写真集。前作刊行以降 “自販機のある風景” はBBCやCNNなど数多くの海外メディアで紹介され、世界中のオーディエンスより多くの支持を得ている。本作品集では、その中でも特に人気のある冬に撮影された新作を含む44点を収録。冬の過酷な環境下でも光り輝く自販機は大橋の作品を通じて擬人化され、現代人の姿と重なり合って私たちの眼には映るのでないだろうか。
アートディレクションを田中義久が手掛け、B4サイズの大きめな判型は作品のディテイルまで見ることを可能にしている。また、蛇腹による製本は屏風を想像させ個々の作品の強度とシークエンスが結びつき、表紙を開いてページをめくっていくと、大橋が紡いできた一篇の時間が静かに再生されていくようだ。この製本は日本でも最高の技術を持つ朱印帳製本の第一人者である博勝堂が担当。
私は撮影の時いつも一台で置かれている自販機の写真を好んで撮っている。それは私自身の孤独な心を表しているものかもしれないが、現代人が抱えている孤独に対するメタファーをも表現していると考えている。最近の調査ではアメリカ人の孤独を感じる人の割合が30年前と比べると5倍になっている。SNSが発達したこの時代の中にあってである。ただ冬の過酷な環境で輝く自販機の姿は、愛おしくもあり励まされる存在でもあると私は思う。光り輝く姿は機械ではあるが妙に人間らしく見え、さらにその光景は希望をも感じさせる。自販機のある風景も時代とともに変わっていく。さらにそれを見る人の心も変わっていき、その変化を記録していくのも私の仕事だと考えている。
-大橋英児 あとがきより