CASE TOKYO では、2018年12月15日(土)から2019年2月2日(土)まで、Ahn Junの展覧会「One Life」を開催いたします。本展では、Ahnの同名作品集の刊行(Case Publishing/2018年10月)を記念し、作品集収録作品のプリントとともに、“刷り出し”、“色見本”、“束見本”といった、作品集の制作過程でしか見ることができない付随物を同時に展示する予定です。

本書は、2013年から2018年まで、ソウルを皮切りに、日本、トルコ、アラブ首長国連邦、イギリス、アイルランドなど世界各地で撮影された作品88点を収録しています。自身の家族によって投げられたリンゴが空中にある瞬間をハイスピードシャッターにより撮影。作品編集の過程では、落ちるべき運命と重力に逆らったまま空間が停止していることを示唆するイメージのみを選択し、文脈が失われた瞬間に生み出される超越性を露わにしようと試ています。それは祖父の死を境に作家のなかに芽生えた死生観のメタファー「死に向かう過程としての生」を、写真という形で私たちに提示しているといえるでしょう。

どうすれば生と死を目に見える形に置き換えられるのだろうか?
生への理解が私たちに内在する“恐れ”を和らげることはないだろう、だからこそ偶然と必然が運命のように交差する時に生み出される「一瞬」が美しい。

−アン・ジュン

韓国 ソウルを拠点に世界的に活動する作家の国内初個展をどうかお見逃しなく。

Artist

アン・ジュン AHN Jun

2006年南カリフォルニア大学(ロサンゼルス)美術史学科卒業、2012年パーソンズ美術大学(ニューヨーク)写真学科修士課程修了後、2017年弘益大学校(ソウル)大学院写真学科博士号を習得。主な個展に「On The Verge」(Photographic Center Northwest、アメリカ・シアトル/2018年)、「UnveiledScape」(Keumsan Gallery、ソウル/2017年)、「Self-Portrait」(Christophe Guye Gallery、スイス・チューリッヒ/2014年)など。主なグループ展に「Space; Crashes in Street Life」(Triennial of Photography Hamburg、ハンブルグ、ドイツ/2018年)、「Asia Woman Artists」(Jeonbuk Museum of Art、韓国・完州郡/2017年)、「Ich」(Schirn Kunsthalle、ドイツ・フランクフルト/2016年)、「Secret Garden」(ソウル市立美術館、ソウル/2016年)など。主な作品収蔵に国立現代美術館(ソウル)など。