88

尾﨑ゆり
判型
295 x 210 mm
頁数
90頁
製本
ソフトカバー
発行日
2017
言語
英語、日本語
エディション
1000

尾崎ゆりは高知県出身、大阪在住の写真家。2010年より独学で写真を始め、個展や海外出展を活動的に行っている。
本書は、お遍路という日本の中心から離れた四国において引法大使が行った四国霊場88ヶ所、1400kmにわたる巡礼の地に彼女が足を運んだ時に撮影されたもの。「88」とは人が修行によって消せることの出来る煩悩の数。彼女は、自らの心の中に潜む痛みと一つ一つ向き合い写真の中に放つ。繊細で柔らかく写し出された世界は、穏やかな川の流れのように沈静で美しい。
弘法大使: 仏教の宗派のひとつである真言宗の開祖

日本の中心から離れた場所、四国。
1200年続く1400kmの巡礼、四国霊場88ヶ所、通称「お遍路」。
88は人が修行によって消せることができる煩悩の数。
弘法大師の足跡を追って、煩悩と同じ数の霊場を一つ一つ巡り、
罪や心の痛みを一つ一つ取り除いていく。
私の心の中に占めていた痛みも少しずつ消えていく。
それを確かめるように、忘れないように写真に残す。
巡礼の道は人生そのものかもしれない。
今を生きているという実感をしながら、私はこの道の途中にいる。
文:尾﨑ゆり